被相続人の生前に嘘をついてお金をもらっていた相続人

Q、病気のためお金が必要だと被相続人の生前に嘘をついてお金をもらっていた相続人がいます。相続協議に参加させなければならないのでしょうか?

私の父が今回亡くなったことで今現在、相続協議を行っているのですが、つい先日、遺言書が見つかりその内容についてもめています。
なぜもめているのかというと、遺言書の内容に記されていたのは被相続人から見た子供である私たち兄弟のうち、1人がこれまで病気のため手術や入院が必要だったと被相続人である父に嘘をついてお金を振り込ませていたことになります。
嘘をついていたのは長男となる兄ですが、兄は遠方に住んでいたため父と直接顔を合わせることもなく、父も兄に言われるがまま本当に病気だということを信用してお金を振り込んでいたようです。

このようにお金を振り込んでいたことについて今回の遺産協議では考慮せず、残された財産を私たち兄弟で平等に分割するようにと書かれていました。
しかし実際に兄は病気をしていたわけではなく、入院をしていたなどといった事実は全くありません。
要するに兄は遠方だからと父に嘘をついてお金を振り込ませていたことになります。
にもかかわらず、遺言書の通りに遺産分割しなければならないというのは、私たち他の兄弟にしてみれば納得がいかず、兄を許すことのできない気持ちでいっぱいです。
それでも遺言書の通りに兄を含めた私達兄弟は全く同じような平等性のある分割をしなければならないのでしょうか?
母はすでに他界していますので、相続人となるのは私たち兄妹しかおりません。

A、相続の欠格もしくは生前に受け取っていた分を相殺した上での分割をしましょう。

上記のように理由を偽って生前に被相続人からお金を受け取っていたと言った場合には、他の相続人の意向によって相続の欠格を行うことができます。
相続の欠格を行うと、嘘をついてお金を受け取っていた相続には相続権を失うことになりますから、今後の遺産協議などには一切参加することができません。
また当然ながら分与分もなくなりますから遺産分割をする必要がなくなります。
ただこのように相続の欠格をするためには、他の相続人が全員一致して家庭裁判所などに申し立てをしなければならず、相続の欠格を行うことによって欠格となったご本人から逆恨みをされてしまうような懸念がある場合には、生前嘘をついて受け取っていた金額がどれだけあるのかを明確にした上で、この分を相殺し分割を行うと良いでしょう。

まずは全ての相続人がどれだけの分与分を受け取れる額についても計算した上で、被相続人に嘘をついてお金を受け取っていた部分については差し引くことになります。
そして差し引いた部分の前者については他の相続人が平等に分けるのが1番でしょう。
ただし、どちらの方法をとるにしても、しっかりと公正証書に残す必要がありますので、税理士さんにお願いして協議の進め方やそれぞれの分与などについても細かく計算してもらうと良いです。
さらに嘘をついて被相続人から受け取っていたお金に関しては、生前贈与として扱うことができますので、これについては年間で110万円を超える金額だったのかどうかを確認した上で、110万円を超える金額だったのであれば税務署に申告をした後で贈与税を納める必要があります。

もちろん贈与税を収めるのは嘘をついてお金を受け取っていたご本人となります。
このようなケースでは、事実とは異なる内容で遺言書が残されているため、遺言書の内容がそのまま実行されるかどうかは税理士の先生や弁護士さんなどに相談してみなければ判断は難しいと言えます。
あくまでも被相続人は本当に自分のお子様が病気になったと信用してお金を振り込んでいましたので、その内容そのものが作り話だったということになれば、遺言書の内容についてもストレートに扱わないケースがほとんどです。

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